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ピンクの恐竜じゃなくて

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茂木健一郎さんのベストセラー『ひらめき脳』(新潮社刊)を今さら読む。
ふだん小説ばかり読んでいるので、こういう本をに読むのは珍しい。
以前はちょっと抵抗があったけれど、今は普通に読んで普通に吸収できるよう。

この本は、今までテレビや講演などで聴いたことも多く出てきて、
とてもわかりやすかったです(薄くて字も大きくて読みやすい……のもあり)。

というのも、茂木氏、講演などでは超早口で、どんどん思いついた話題に
飛んでっちゃうので、本にしっかりまとめてあるととても有り難いのです。
でも、その早口でめまぐるしい話し方でも、さほどわかりづらくなくて、
会話してるみたいで面白かったりもするので、そこがスゴイと思いました。

別に「目からウロコ!」みたいなことが書いてあるわけでもなく。
ただ、何となくわかってたけど、はっきり言ってくれてありがとう、
科学的根拠や、いろんな偉人のエピソードも交えて解説してくれてありがとう。
そんな感じ。

しかもこの本は「できるだけ易しく」書かれた本なので、
ものすごく軽く読めるのがいいところ。

全体を通して「ひらめきがいかにして生まれるか、いかに大切か」
ということが、さまざな例を元に、状況を解説しながら書かれています。

この本の中で、最初に刺さったのは、
「無からひらめきは生まれない」ということ。

まず「ひらめき」っていうのは、頭の良し悪しには関係ない、
ざっくりと言うとこんな感じの説明から始まるのですね。
確かにそれはそうだな〜っていうのは何となくわかってるじゃないですか。
大卒だからって、どんどんアイデアが浮かんで良い企画出して……
なんてことはぜんぜんないってことは働いてたらわかってはいるじゃないですか。

でも「無からひらめきは生まれない」のだな。うん。
ひらめきを生むためには脳の側頭葉という部分に、準備ができてないとダメ。
その準備というが「学習」なんだそうです。
ひらめくには、それだけの「マテリアル」をためておかなければならないとのこと。

そうなんですよね。それは何となく感じていました。
なるほどね。脳科学的に言ってもやっぱりそうなんですよね。

暗記や記憶と、ひらめきやクリエイティビティは真逆のものと捉えられがちですが、
学習によって蓄えられたアーカイブがないとひらめきは生まれないのだとか。
いろいろな例をあげて、これについて説明されています。

この本の最後のほうでは、エジソンの有名な言葉、
「天才とは1%のひらめきと99%の努力のたまもの」
についても触れられていますが、やっぱり天才も努力がベースなんですね。

自分が今さら天才にはなれませんが、別に天才になる必要はなく、
ひらめくときのために、アーカイブをたくわえていればいいんじゃないかな、
ぐらいには思いました。

そして「セレンディピティ」についてですが、この言葉自体はよく聞きますよね。
昔は、ピンクの恐竜の名前としか思ってなかったですけど(笑)。
ちゃんと訳すと「思わぬ幸運に偶然出合う能力」となるのだそうです。
ノーベル賞クラスの発見も、「セレンディピティ」が存在しているとのこと。
この「セレンディピティ」を起こすために必要な6つの条件が揚げられています。
その中で一つ目の条件とされている「行動」。
まず行動を起こさないとセレンディピティも何も得られない、と。
とりあえずは体を動かして何かをやってみないと何も起こらない。
私も最近になってようやくこういうことを悟り始めた、というか、
悟っているということを意識し始めた部分もあるので、なるほど、と思いました。
大学のときの礼拝で、チャプレンがこの「セレンディピティ」の話を
していたことがあって、同じようなことを言ってたな……と思い出しました。

すごく長くなってしまいましたが、そんな感じで納得のいく読後感スッキリ、
という感じの本でした。

ただ、私はなかなか「First Penguin」にはなれないな……。
最初に飛び込むペンギンのことなんですが、茂木先生は過去の講演などでも、
このペンギンの話はよくされています。
勇気を持って新しいことにチャレンジする人のことをこう呼ぶのだそうです。
臆病者だもんで。

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