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楽園——宮部みゆき

楽園 下楽園 下
宮部 みゆき
文藝春秋 2007-08
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大阪に帰る新幹線で読もうと買った『楽園——上』。
模倣犯の続編、というか事件自体は続いてないけど、前畑滋子が主人公。
続いてないけど、つながってはいる。

宮部みゆきの推理ものはすべて読んでいる(時代もの・ファンタジーは読めない)。
何となく断片的なことがつながっていくんだろうな、とある程度の予測はつく。

最初から面白かったけど、ぼちぼち読んでいて、昨日上巻を読み終えた。
そして今日、地元のツタヤで下巻を購入。
下巻はもう、それは、「名探偵コナン」で言うところの「解決編」である。
数時間かけて一気に読み終えた。

気持ちよくすべての真相が明らかになって終わってよかった。
軸になる事件の内容が内容だけに、賛否両論あるようですが、
宮部みゆきっぽくて面白かったと思います。

『模倣犯』はうっかり映画も見てしまったのですが、
これがとんでもなくつまらない内容になっていて、
原作を読んだファンを失望させるにもほどがある作品だったのですね。
たいがい原作を読んだファンが映画化された作品を見るとガッカリするものですが、
これに関しては、ヒドイにもほどがあった。
まあ、あの複雑にからみあったそれぞれの場面を映画でどう見せるのか、
というのは最初から気になってはいましたけども。
宮部みゆきの作品ってほとんど、章ごとに場面が行ったり来たりで、
時間も進んだり戻ったりすることが多い。
頭の中で時系列を整理しながら読むのが面白いという部分もある。
それを時間が流れる映像でどうやって表現するのだろう——って。
そこは多少ガッカリさせられることは想定して見ていたのですが、
何その結末。何その終わり方。何その映画オリジナル展開(笑)。
ということで、ガッカリというかズッコケたというか、笑えた。

でも映画の影響で、『楽園』を読んでいるときは、
前畑滋子が、すっかり木村佳乃になってしまっていましたよ。
木村佳乃は好きだからいいんだけど。
『模倣犯』読んでるときは、もっと私の中での滋子はおばちゃんだった。
っていうか「滋」という文字のイメージも手伝ってか、室井滋だった(笑)。

『楽園』の始まりのほうで出てきた、すごく好きだった一節がある。
前畑滋子が事件にかかわる発端となった依頼人「敏子」を「象のようだ」と
描写している部分なのですが……。
亡くなった息子の等が象について友達に語る言葉に泣けました。
母親を「象みたいだ」とかわらかわれ、でも等は「象ってすごいんだよ」と言うところ。

ちなみに宮部みゆきの推理ものは「異能者」が関わることが多い。
これがイヤな人、納得がいかない人もいるかもしれない。
『楽園』もそういう「異能者」が関わっています。
でも『クロスファイヤ』や『蒲生邸事件』などを読んでもわかるように、
「異能」が事件を解決する、とかそういうことじゃないんですよね。
SFとのギリギリのところな感じがいい。

そういえば梨木香歩の本を貸してくれていたmkiと言っていたのだけれど、
梨木香歩もファンタジーと現実のギリギリのところなんですよね。
私、完全なファンタジーはだめなのですよ。読めないのですよ。
でも梨木香歩はギリギリのところ、一歩入ってるところぐらいいで、
それがすごく読み心地がよくて面白い!
宮部みゆきの推理小説とSFとのギリギリ具合も同じような心地よさがあるのです。

そんなmkiと、梨木香歩『西の魔女が死んだ』が映画化されるとわかったときに、
ばあちゃんは誰だ、まいは誰だと、勝手にキャスティングを考えていた。
mki案では、まいは当時の北野きいだったそうだ。
確かに、いいねそれ! なんて勝手にキャスティング、よくやってます(笑)。

『模倣犯』の網川(ピース)役が中居正広だったのもガッカリだったとですよ。
じゃあ誰? とかいろいろ考えちゃいますよねー。
私としては、どうせSMAPからなら香取慎吾かなと思いました。


というわけで。
久しぶりに本にはまりましたって話でした。

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